遠く、遠く。

過去に囚われずに、前に進み出すべきだ。全くその通り。
過去の記憶は、記憶の辺土で柔らかい泥になるだけ。僕は、その泥にまみれるにはまだ若すぎると思う。

酔った頭で、車窓を流れる景色を眺めていた。どれもこれも、毎日見てたはずの景色なのに、どこか遠く感じる。
たったの数ヶ月で、随分遠くまで来てしまっていたのだな。もう、戻ることは出来ない。立ち止まってしまえば、泥にまみれて腐っていくだけ。でも、どこかで、そこに立ち続けて、僕の中で、僕を内側から蹴り続ける僕がいる。どこに行くんだ?僕はここにいるんだぞって。

僕は今どこにいるんだろう?