若冲

相国寺の中にある美術館で開催されている若冲展に行きました。
もう何年も前のことになるけど、S嬢の修論の資料作りを手伝ってから、若冲は気になる作家であった。
若冲といえば、その鮮やかな色使いと、偏執狂かと思うほどの緻密な描写が有名だけど、やっぱり実物を目の前にすると、その力に圧倒された。
釈迦三尊像動植綵絵が展示されている部屋に入った瞬間、息をのむ迫力。S嬢が主張していたことがすんなり腑に落ちる。
僕は若冲の絵はすごく写真的だと思っている。きっと、彼はカメラの目をもった、数少ない人間だったのだろうと思う。緻密で、躍動感があるようで、実はない。現実をシャッター速度1/1500ぐらいで切り取っているような画面。頭を掻く雌鳥の絵の、閉じかかったまぶたなんて、0コンマ以下の瞬間を切り取っているような感じがする。
もう一回ぐらい行きたいな。